オフセット印刷するのにai形式ファイルが必要な訳
こんにちは!カード印刷のブログです。
色々なカードを並べてみると、結構個性があると言いますか?本当にたくさんのデザインがあります。
たとえば会員証などは、規則性もなく「単純デザイン」から「奇抜なデザイン」まで本当に色々です。
デザイナーに頼む方も多いかと思いますが、オリジナルのデザインについてちょっと調べてみましょう!
オリジナルデザインを印刷するには・・・
縦53.98mm×横85.60mmのJIS基準のプラスチックカード券面にオリジナルデザインを印刷される場合、どの印刷会社でもイラストレーターで作成したai形式を指定して、念の為PDF形式のデータも欲しい!ということを言われてしまいます。
でも、普通の会社員のPCにイラストレーターなんて入っていない人がほとんどです。
では、何故イラストレーターのaiファイルを指定されるのでしょう?
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一般的にパソコンから印刷するケースは、プリンターがインクジェットプリンター(もしくはカラーレーザープリンター)です。
パソコン画面などの表示には「光の3原色」を使ってフィルターを通して色を作っています。
出典:アスキーキッズの記事より
RGBと呼ばれるRed、Green、Blueを重ね合わせることでほとんどの色が表現できます。
ホームページなどの色表現するにはHTMLカラーコードというものが使われます。
紙やカードに印刷するプリンターでは「色の3原色」というCyan/Magenta/YellowにBlackを合わせ『CMYK』と呼ばれるものを使います。
こんな感じです。↓ ↓ ↓
出典:https://iro-color.com
インクジェットプリンターやカラーレーザープリンターのインクやトナーにこのようなシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックがあります。
印刷する仕組みは、版を使うことなくインクを噴射したりトナーを噴霧して一気に印刷しています。
オフセット印刷は4版別で!
業務用の印刷機は歴史もあり、ちょっと仕組みが違います。
鮮やかな写真の色を出すには凸版印刷の一つであるグラビア印刷機を使います。平板印刷であるオフセット印刷と比較して、刷版に手間がかかりコストがかかるというデメリットがあります。
大量に鮮やかな色を印刷するチラシなどの紙印刷もプラスチックカードもオフセット印刷機が多く使われます。
(オンデマンド印刷は刷版を作らず電子データのまま印刷されるので小ロットに向いています。)
大量のプラスチックカード印刷に使われるオフセット印刷機は、インクジェットプリンター同様にシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックを使うのですが、1度に色を作るのではなく、各版ごとに印刷して4版全てが重なりあうことでフルカラーになるような仕組みなんです。
各色の版を順番に重ねて印刷する仕組みの為、一度にフルカラー印刷させるインクジェットプリンターやカラーレーザープリンターのようにいかないのです。
4版の色ごとに印刷するには、普段パソコンで使っている画像ファイルjpegやPING形式では対応できない為、以前よりオフセット印刷機の4版印刷に対応しているイラストレーターのai形式ファイルにしなければならないのです。
→オフセット印刷するには、ai形式ファイルでなければ出来ないのです。→文字フォントの輪郭をアウトライン化したデータが必須です。使うPCによってイラストレーターのフォント数が違う場合に指定されたフォントがPCになかったら別のフォントになってしまうのを防ぐ為です。
※PDF形式のファイルでもオフセット印刷機対応は出来るようですが、圧縮されたファイル形式なのであまりオススメは出来ないです。
何故ならば、オフセット印刷機で大量に同じ色を印刷するには、熟練工がしっかりと準備しないと、思ったような色が再現出来ないことがあります。
DICカラー
印刷機で古くから使われる色番号に「DICカラー」というのがあります。
色を再現する場合にDICの何番! という指定が出来ます。
オフセット印刷機側でもDICカラーに対応しているので、色目を忠実に再現する場合に重宝します。
※他にも英国マンセル社で作成した「マンセル表色系」という色番号もありますが、管理人が過去マンセル色指定したのは電気設備のキュービクル塗装くらいで、印刷機用の色番号はDICカラーが定番です。
まとめ
印刷機の色表現には、「オリジナルデータのai形式」が必要、ということがご理解いただけたでしょうか?
画像データを説明しているブログがありましたので、ご参照下さい。
普段、パソコンとインクジェットプリンターを使う会社員の方にはちょっとハードルが高いかもしれません。
オフセット印刷は、プラスチックカードよりも紙印刷の世界で多く使われていて1枚づつ印刷する枚葉印刷機やロール状の紙を高速印刷する輪転印刷機があります。
プラスチックカードサイズはとても小さいのでA3程度の用紙(枚葉)に4×6などに並べて印刷する為、半端な数が生じてしまいます。
その点、1枚1枚印刷するプラスチックカード印刷機はロスは出ませんが、速度が遅いことと熱転写や昇華型方式、インクジェット方式など色々あります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、実際に印字した見本を見るのが良いと思います。