カードの磁気ストライプのお話
こんにちは!カード印刷のブログです。
改正割賦販売法により2020年3月までにクレジットカードの決済端末を全てIC化対応することとなり、現在お持ちのクレジットカードはすべて接触型ICチップが埋め込まれているものと思います。
出典:UCカードHPより
背景には、カード裏面の磁気ストライプテープの中に入っている情報をスキミングされ、複製したクレジットカードを悪用されたことの対策として、セキュリティ対策をICチップ化で行ったのです。
ただ、非接触型のICカードにしても接触型のICカードにしても、従来の磁気ストライプ方式と比較するとコスト高となることはいなめません。
これまでカードに情報を持たせてきた磁気ストライプは、どんな変遷をしていくのでしょうか?
磁気ストライプの方式
ウィキペディアで「磁気ストライプ」の歴史を確認してみると1960年頃にの技術者が磁気t-プの断片を固定するアイデアを考えたのが始まりのようです。
その後、国際規格としてIBMISO/IEC 7810、ISO/IEC 7811、ISO/IEC 7812、ISO/IEC 7813、ISO 8583、ISO/IEC 4909 という規格を策定しており、カードの物理形状、大きさ、硬さ、磁気ストライプの位置、磁気特性、データフォーマットなどを定めている。また金融関連のカードの規格として、各企業にカード番号範囲を割り当てる規格などもあります。
日本では、独自の規格で作られた「JIS2型」という規格で規定されたものを主に作っているようです。
以下のように仕様が異なります。
・JIS1 トラック1(IATA):最大文字数72~79文字で、英数字が可(79文字が一般的)
・JIS1 トラック2(ABA):最大文字数40文字で、数字のみ可
・JIS1 トラック3(TTS):最大文字数107文字で、数字のみ可
・JIS2 (日本独自の規格):最大文字数72文字で、英数字が可
磁気ストライプ付きプラスチックカードの欠点は、お財布の口に磁石を使っていたりした場合に磁気情報が無くなることです。
出典:全国商工事業協同組合連合会HPより
磁気隠蔽カード
皆さんは「磁気ストライプ」といえば黒色の帯状なものをイメージするかと思います。
かつては「カラー磁気ストライプ」が存在しました。
金色、銀色、赤色、青色などがあり、磁気ストライプがデザインの支障になるのなら磁気の色をデザイン、加飾のために使っていた時代がありました。
しかし現在では殆ど使われておらず、磁気テープメーカー様もカラー磁気テープの生産をほとんどやめてしまっています。
隠蔽カードの出現も要因の一つだと思います。
例えばキャッシュカードを手に取るとICチップは見えますが、磁気ストライプは見えません。
出典:オリコHPより
これは磁気隠蔽カードと言いましてデザインの下層に磁気テープが隠れています。
印刷で磁気が隠れていますが、ここの磁気データを読み取りしています。
磁気の上にも印刷できるのでザイン上の制約が減ります。
特殊なカードですが使用の際はJISX6301に準拠しなければなりません。
既存の設備で普通の磁気カードと変わらず使用できます。
デメリットは特殊なカードですので製造工程も増えるためどうしても価格は上昇します。
ETCカード。キャッシュカード、クレジットカード(片面隠蔽磁気です)、その他は大手のポイントカードが隠蔽磁気カードですね。
まとめ
コストや生産数の関係でカラー磁気カード、磁気隠蔽カードも普通の磁気テープが見えるカードに取って代わっています。
とはいえ大手様が採用する磁気ストライプカードシステムですので、まだまだ組み合わせ次第では通用するカードだと思います。
磁気ストライプ付きカードは、ICカードよりもコストが安い為、まだまだ使用が続きます。
ただ、年々減少傾向になってきているようです。